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PROJECT STORY

新名神高速道路上田上牧工事

2021.07 取材

PROLOGUE

起伏に富んだ地形でのビッグプロジェクト難工事を乗り越えた秘訣とは?

新名神高速道路は三重県四日市から滋賀県、京都府、大阪府を経由し兵庫県神戸市北区へ至る高速道路です。私たちが担当した工事は名神高速道路と新名神高速道路を繋ぐ大津ジャンクション道路建設で、全長1.6kmもの大規模工事でした。
この地域は起伏に富んだ地形が特徴であり、それが工事の難しさでもあります。私たちの技術を駆使して行われた本線盛土及び工事用道路の設置工事を、担当者たちから語ってもらいます。

MEMBER

  • 大阪支店工事部 所長
    1989年入社
    吉谷 直樹
  • 中部支店工事部 工事主任
    2014年入社
    小堀 諒士

STORY

みらいの技術提案と施工体制で実現できたビッグプロジェクト

普段、日常的に利用している「高速道路」に求められることはどんなものだと思いますか? 高速道路は「高速性」「快適性」「安全性」「定時性」「信頼性」の機能を高めることを目的とし、日本の産業・文化・社会経済活動の振興に寄与しています。

私たちは兼ねてから高速道路の工事に携わっており、これまでに豊富な実績を培ってきました。なかでも今回の「新名神高速道路上田上牧工事」は全長1.6kmに渡るビッグプロジェクトです。多くの建設会社が手を上げるなかで私たちが本工事を受注した経緯について、本現場の現場代理人を務めた吉谷はこのように話します。

「高速道路など、人々の暮らしに密接に関わる建設工事は、工事金額だけで受注が決まるものではありません。発注者の意向を汲み取った技術提案ができて高評価を得られたこと。それから私たちには高速道路の工事経験者が多く、確実な施工体制を確保できたことが工事受注の決め手になりました」。

急峻な地形で難工事を予想不安と自信が入り乱れ…

このプロジェクトは、傾斜が急で岩が露頭した険しい地形を切り開くことからスタートしました。現場で働くスタッフは協力会社も含めて総勢40名。高速道路工事の経験があり、それぞれ得意分野を持つ多様なスペシャリストたちが集います。

「本現場は約3年半という長期間の工事です。正直、このようなスケールの大きな工事は初めてでしたので、現地を見て驚きました」と話すのは、工事主任の小堀。起伏に富んだ地形を見た瞬間、一歩間違えると事故が起きてもおかしくないような難工事が頭をよぎったそうです。また、土工工事、橋梁工事、舗装工事、施設工事など工事の種類も多く、それぞれが複雑なことも課題に感じていたと言います。

とくに工事前の現場調査には時間をかけて、湧水があるかどうか、軟弱な地盤・硬い岩盤はどこかなど的確に把握し、「安全に工事を進めること」を最大の課題として取り組みました。「工事スタッフみんなで問題点を共有し、いろんな工夫やアイデアを出し合いながら進めました。ひとつひとつの難所をクリアしていくところにやりがいを感じます」と小堀。

後輩たちが知恵を出し合いながら工事を進める姿に、吉谷は「この仲間たちとなら、絶対にいいものができる!」と自信も感じていたと語ります。

地元住民の理解も得ながら誠心誠意、工事を実施

高速道路の建設工事は、完成後の安心・安全な道路を確保するために、近隣住民たちの理解を得ながら確実に工事を行うことが大切です。

実は、新名神高速道路建設において大津市周辺の最初の工事であったため、どんな問題が生じるのか予測できず、手探り状態で工事を進めていったそうです。特に現場周辺は閑静な地域だったため、建設機械の音やダンプトラックの走行などにも理解をしてもらうことが大切でした。

本工事では、地元の人たちの穏やかな生活を守れるように、地域の人たちが納得できる工事方法を何度も試験的に行い、できる限り近隣住民の負担を抑えることにも、誠心誠意、取り組んできました。

契約から工事完了までは約3年半。この工事を振り返ると「これこそ、ザ・土木工事」だと吉谷は話します。
私たちが担当した工事は、高速道路の基礎工事。2021年現在、上部の道路建設工事が実施されており、完成形をみられるのは数年後の楽しみです。

TECHNOLOGY&SDGs

生産性向上と品質確保にICT技術をフル活用

土工事では、ICT施工(情報通信技術)を用いて生産性の向上や品質確保に取り組みました。
GPSを使って地形を測量したデータを活用することで、掘削場所・深さともに正確な工事が実現できます。また、盛土では、土を敷きならすときの厚さや転圧などが設定できるので、品質面でも安心できます。
ICT技術を活用することでマンパワーへの依存度も低くなり、測量の業務効率化やヒューマンエラーが回避できるようになります。

WORK FLOW

  • 2017年3月

    契約

  • 2017年5月

    設計書の見直し開始

  • 2017年8月

    伐採着工

  • 2018年2月

    工事着工

  • 2018年2月

    土工事開始

  • 2018年6月

    仮橋工事開始

  • 2020年9月

    竣工

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