昭和30年代から継続して実施八戸港の浚渫工事
浚渫工事とは、海底に流れ出てきた土砂を取り除き、船舶が安全に通れる深さを保つ工事のことです。島国の日本では、河川を通じて山から流れ出てきた土砂が少しずつ港に溜まっていくため、毎年、工事するエリアを分けて計画的に浚渫工事がなされています。大型船舶が寄港できたり船が安全に運航したりするためにはなくてはならない工事として、私たちの手がける海の工事の中でも継続的に行われているものです。
しかし、その工事は海の中で実施されるものであり、陸上からは目視できないことが何年もの課題でした。八戸では年間4~5万㎥(50mプール20杯分!)もの土砂を吸い上げているので、毎年少しずつ新しい技術を取り入れて業務効率化を図っています。
「昔は水中カメラを使って海の中を見ていましたが、透明度が高い海水で光が入ってこないと使い物になりません。潜水士に潜って見ていただくこともありましたが仕事の時間が限られています。技術革新によって、こういった制約はすべてなくなり、24時間いつでも海中の確認ができるように進化しています」と、八戸の浚渫工事の現場代理人を務める吉江は話します。